Googleしごと検索(Google for Jobs)とは?概要や特徴、求人を掲載する方法・手順など詳しく解説!

2020.10.12

2017年6月にアメリカでリリースされ、現在世界14ヵ国以上で活用されている「Googleしごと検索(Google for Jobs)」。検索結果に求人情報を表示するGoogleの新機能です。日本でも2019年1月に正式に導入され、いま求職者側・企業側から共に注目を集めています。自社のホームページに掲載している求人情報が検索結果の上部に表示される可能性があり求職者との接点が増える絶好のチャンスですので、今後の採用にぜひ活用していきたいですね。

そこで今回はGoogleしごと検索(Google for Jobs)の

・概要
・特徴
・Indeedとの共通点と違い
・求人を掲載する方法

について詳しく解説していきます。

この記事を読めばGoogleしごと検索について理解が深まります!ぜひ参考にしてみてくださいね。

1:Googleしごと検索(Google for Jobs)とは

Googleしごと検索(Google for Jobs)は、Googleの検索結果に求人情報を表示させる機能です。

インターネット上で情報を探す際にキーワードを入力して検索するのと同じように、「名古屋 美容師 求人 」などのキーワードを入れて検索するとマッチ度の高い求人情報が検索結果に表示されます。

2017年6月にアメリカでリリースされ、アジア、ヨーロッパをはじめとする世界14ヵ国以上の国々で利用されています。日本では2019年1月23日に正式にサービスが開始されました。従来は「Google for Jobs」という名称であったため、本記事ではそちらの名称もあわせて記載しています。

Googleは全世界のあらゆるウェブサイトの情報を収集して検索エンジン上に表示している世界最大級の検索エンジンです。Googleは200以上の検索アルゴリズムを使用して検索結果を決定しており、検索結果がユーザーに最適なものとなるよう日々アップデートを行っていますが、この検索アルゴリズムの具体的な内容は明らかにされていません。

Googleしごと検索はこのGoogleの検索エンジンを活用してインターネット上のあらゆる求人情報を自動で収集し、ユーザーに最適な求人情報を表示するという仕組みになっています。Yahoo!などGoogle以外の検索エンジンにはGoogleしごと検索(Google for Jobs)は表示されませんのでご留意くださいね。

Googleしごと検索(Google for Jobs)の上部に掲載される求人数は3つ(3枠)です。アルゴリズム同様、この順位付けを決定づけるロジックも公開されていません。

<Googleしごと検索がヒットする検索キーワード例>

① 雇用形態+求人or採用
例「正社員 求人」「アルバイト 採用」

② 職種+求人or採用
例「ネイリスト 求人」「美容師 採用」

③ 地名+雇用形態
例「愛知県 正社員」「名古屋市 アルバイト」

④ 地名+職種
例「愛知県 看護師」「名古屋市 歯科助手」

2:Googleしごと検索(Google for Jobs)の特徴

続いてGoogleしごと検索の特徴を求職者側・企業側の魅力に分類して見ていきましょう。

求職者側の魅力

Googleしごと検索を利用する求職者側から見るとどのような魅力があるのでしょうか。

・求人を探す手間が簡易化

これまで求職者は複数の求人サイトに登録して求人情報を検索し、さらにそこから気になる企業のホームページをチェックしにいくなど、情報収集にある程度手間がかかっていました。しかしGoogleしごと検索はインターネット上にあるあらゆる求人情報を集約してマッチ度の高いものから表示してくれるため、複数の求人媒体を回らなくて済み、企業のホームページや求人サイトがリンクされているので情報収集や応募の際サイトを改めて検索するという手間も省けます。

・求人を絞り込み検索できる

Googleしごと検索の求人掲載画面に行くと左上に地域・投稿日・形態・企業という項目が表示されます。求職者はこのように複数の項目で絞り込み検索をして自分の希望に合った求人情報を探すことができます。

・近隣の求人情報が探しやすい

Googleしごと検索はユーザーの位置情報をもとに近隣の求人情報を優先的に表示する仕組みになっています。そのため求職者は自宅からの通勤時間が短い求人情報へ効率的にアクセスすることができます。求人検索画面に行き左上の「地域」という項目から10km圏内、2km圏内などエリアをさらに絞り込んで検索することもできます。

企業側の魅力

続いて企業側(求人情報を掲載する側)の魅力を見ていきましょう。

・無料で掲載できる

一般的な求人媒体は求人広告を出すのに数十万円(正社員を1人獲得するのに必要な採用コストは40~50万円、アルバイトなら5万円以上かかると言われている)、リスティング広告はたった1回のクリックで1,000円~1万円近くかかることもあり、求人広告を出すためには多額のコストがかかりますが、Googleしごと検索(Google for Jobs)はなんと無料で掲載できます。

・多くのユーザーに見てもらいやすい

Googleしごと検索はGoogleの検索結果ページの上部に表示される仕組みになっています。検索結果にページに表示される3枠に選ばれれば多くの求職者に自社の求人を見てもらうことができます。もし上位の3枠に選ばれなくても求職者がさらに詳細を絞り込んで検索した場合、求職者と求人がマッチしていれば表示される可能性が高いため、これまで以上に求人とマッチした人材に求人情報を見てもらうことができるのです。

・検索結果で上位をとれなくてもページ上部に表示される可能性がある

通常のGoogle検索では検索結果の上位に表示されればされるほど多くのユーザーにページを見てもらうことができます。そのため大手求人サイトや大手企業など数多くのサイトがお金とノウハウを投入してSEO対策を行っているため、通常の検索結果において求人・採用関連のキーワードで検索結果の上位をとるのはかなり難しいのが現状です。

しかしGoogleしごと検索はインターネット上の求人情報を検索エンジンがクロールし検索ユーザーの検索意図に沿って表示する仕組みのため、通常の検索と異なりSEOの影響を受けません。しかもGoogleしごと検索のプラットフォームは通常の検索結果よりも上部に位置するため、上位3枠に掲載されれば検索結果で上位のページよりもさらに上部へ自社の求人ページを表示させることができます。

また、仮に上位3枠に当てはまらなくてもGoogleしごと検索の求人情報一覧に掲載されればSEO対策などで検索結果の上位を狙えなくても条件が合致する求職者に採用ページを見てもらえる可能性がこれまでより高くなります。これは採用ページをより多くの求職者に見てもらいたい企業側としては大変大きな魅力といえますね。

「SEO対策で大手求人媒体や大手企業の採用ページを超えるのが難しい」とお悩みの採用担当者の方にとってGoogleしごと検索を活用するメリットは非常に大きいと言えます。

3:Googleしごと検索(Google for Jobs)とIndeed(インディード)の共通点や違い

Googleしごと検索と近い求人媒体としてCMなどでもおなじみのIndeed(インディード)が挙げられます。

「Googleしごと検索とIndeedどっちがいいんだろう?」「そもそもどういう違いがあるの?」と疑問に思われている方向けに、ここからはGoogleしごと検索とIndeedを比較し、共通点や違いを詳しくまとめていきたいと思います。

Googleしごと検索とIndeedの共通点

まずはGoogleしごと検索とIndeedの共通点から見てみましょう。

・求人検索エンジンであること

Googleしごと検索とIndeedの共通点としてまず第一に「求人検索エンジン」であることが挙げられます。求人検索エンジンとはインターネット上にある求人を自動で収集し、自社のプラットフォーム内に掲載するシステムのことです。

・無料で求人を掲載できること

二つ目の共通点として無料で求人を掲載できることが挙げられます。求人検索エンジンはインターネット上にある求人を自動で収集するものであり求人広告とは異なるため、無料で求人を掲載することができます。Indeedの場合は「スポンサー広告枠」と呼ばれる上位に表示させるための有料掲載枠もありますが基本的に無料で掲載できるという点が共通しています。

Googleしごと検索とIndeedの違い

続いてGoogleしごと検索とIndeedの違いを見ていきましょう。

・Googleしごと検索は広告枠(有料掲載枠)がない

Googleしごと検索には広告枠(有料掲載枠)がありません。対してIndeedには「スポンサー広告」という有料広告枠があり、求人を上位に表示させることができます。

・Googleしごと検索は直接応募ができない

Googleしごと検索は表示された求人から直接応募することはできません。求人情報を集めて表示するだけの仕組みであり、求人情報の詳細を見る場合はその求人情報が掲載されている企業のホームページや求人サイトに飛んで応募しなくてはなりません。応募する機能自体がないので応募者管理画面もありません。

一方Indeedの場合は求人によっては直接応募することができるため、求職者側からすると仕事探しをしながら応募までできるのでIndeedの方が使いやすいと感じる場面もあるかもしれません。また、Indeedの一部の求人には応募者管理画面もあります。

・Googleしごと検索は求人情報ページを直接作成することはできない

Googleしごと検索は検索エンジンとして求人情報を集めて表示する機能に特化しているため、直接求人情報ページを作成することは今のところできません。現在Googleしごと検索に求人ページを掲載するためには自社サイトの採用ページを構造化マークアップする必要があります。

構造化マークアップのやり方を含め、Googleしごと検索への求人掲載方法は次の章で詳しくご説明いたします。

一方、Indeedは直接求人を投稿できるシステムがあるため、自社サイトを持っていなくても、また、特別な作業をしなくても求人を掲載することができます。Indeedのサイトへアクセスしアカウントを作成して求人票に求人情報を入力すればIndeed上に求人が掲載されるというわかりやすい仕組みになっています。

<Googleしごと検索とIndeedの比較>
Googleしごと検索
(Google for Jobs)
Indeed
掲載料金 無料 無料
広告枠
(有料掲載枠)
なし あり
(スポンサー広告)
直接応募 できない できる
応募者管理機能 なし あり (一部)
掲載方法 直接求人を
投稿できない
直接求人を
投稿できる
<Googleしごと検索の特徴まとめ>

・インターネット上の求人情報を集約して表示
・絞り込み検索ができる
・近隣の求人情報を検索できる
・無料で掲載できる
・検索結果のページに表示されるのは3件
・通常の検索結果よりも上部に表示される
・広告枠(有料掲載枠)がない
・直接応募はできない
・応募者管理機能がない
・直接求人を投稿できない

4:Googleしごと検索(Google for Jobs)に求人を掲載したい場合は?

Googleしごと検索に求人を掲載したい場合、2つの方法が挙げられます。

1. 自社の採用ページを構造化マークアップする
2. Googleしごと検索に対応している求人サイトに掲載する

「自社サイトに採用ページを掲載しておけば検索エンジンが求人情報を読み取って勝手にGoogleしごと検索に掲載してくれるんじゃないの?」と思われている方が多いかもしれませんが、実は求人情報を掲載しているだけではGoogleしごと検索には反映されません。Googleしごと検索に自社サイトの採用ページを掲載したい場合は構造化データをマークアップするという作業を行う必要があります。

構造化データとはWebページに掲載されている情報がそれぞれ何を意味するのかをGoogle検索エンジンのロボットに理解してもらえるような形式にまとめたデータのことです。この構造化データを埋め込む作業のことを構造化マークアップといいます。

Googleしごと検索における構造化データとは職種、給与、勤務時間、就業場所などの求人情報を指します。採用ページにGoogle検索エンジンのロボットが理解できる形式のデータ(構造化データ)を作っておかないとページを読み取ってもらえず、Googleしごと検索に表示してもらえないのです。

構造化データをマークアップする作業が自分たちでできそうにないという場合はGoogleしごと検索の掲載に対応できる求人サイトに求人を掲載するのが一番手軽です。

しかし求人サイトに掲載する場合は月額数万円〜数十万円という多額なコストがかかってしまいます。求人コストを最小限に抑えたいのであれば自社ホームページの採用ページを構造化マークアップしてGoogleしごと検索に掲載させるというやり方をオススメします。

「そうは言っても構造化データをマークアップする方法がよくわからない・・・」という方も多いと思います。こちらの章の後半で実際に構造化したデータの事例を掲載していますのでテンプレートとしてぜひ活用してみてください。

Googleから構造化データテストツールが提供されているのでテストツールを使ってマークアップが正しくできているか確かめてみるといいでしょう。

構造化データテストツール
https://search.google.com/structured-data/testing-tool/u/0/?hl=ja

Googleしごと検索に求人を掲載する手順

ここからはGoogleしごと検索に求人を掲載する手順を具体的に見ていきましょう。

1. 採用ページを作成する

Googleしごと検索に自社の求人情報を掲載するためにまず募集要項が記載された採用ページを作成します。職種や給与、勤務時間、勤務地などの募集要項を掲載してください。採用ページはGoogleしごと検索から求職者が応募ボタンをクリックしたときのリンク先のページにもなります。

2. 採用ページに構造化データを埋め込む(構造化マークアップする)

採用ページに構造化データを埋め込みましょう。構造化データは採用ページのソースに埋め込みます。複数の求人が掲載されている一覧ページではなく求人1件1件の詳細ページに構造化データをマークアップするようにしてください。

Googleしごと検索を活用したいけど構造化マークアップの仕方がわからないので困っているという方向けに構造化マークアップの事例を掲載しておきます。

<求人情報の構造化マークアップの例>
<script type="application/ld+json"> {

 "@context" : "http://schema.org/",
 "@type" : "JobPosting",
 "title" : "タイトル",
 "description" : "<p><業務内容></p>
 <p>仕事の具体的な内容などをここに入力します。</p>
 <p>応募資格:年齢、資格の有無、経験などこちらに入力します。</p>
 <p>勤務時間:勤務時間をこちらに入力します。</p>
 "datePosted" : "更新日を入力します(例:2020-10-01)",
 "validThrough" : "募集を締め切る日を入力します。(例:2020-12-31)",
 "employmentType" : "募集している雇用形態",
 "hiring Organization" : {
  "@type" : "Organization",
  "name" : "企業名・店名",
  "sameAs" : "ホームページのURL"
 },
  "jobLocation" : {
  "@type" : "Place",
  "address" : {
  "@type" : "PostalAddress",
  "addressRegion" : "都道府県",
  "addressLocality" : "市町村名",
  "streetAddress" : "その後の住所",
  "postalCode" : "郵便番号",
  "addressCountry": "JP(日本であればJPのままでOK)"
 }
},
  "baseSalary": {
  "@type": "MonetaryAmount",
  "currency": "JPY",
  "value": {
  "@type": "QuantitativeValue",
  "minValue": 最低賃金を数値で入力 (例:250000),
  "maxValue": 最高賃金を数値で入力(例:350000),
  "unitText": "給与の単位(月額であればMONTH)"
  }
 }
}
</script>

※可変できる部分を 青色 で示しています。

3.Googleの検索エンジンにクロールされて掲載されれば完了!

採用ページの作成、構造化マークアップが適切に行われていればしばらくすると自然にGoogleの検索エンジン(クローラー)がページを読み込みにきてGoogleしごと検索に表示されるようになります。

<Googleしごと検索への掲載を早める方法>

Googleしごと検索に一早く採用ページを掲載したいときはGoogleにクロールをリクエストすることをオススメします。「Googleサーチコンソール」というGoogleのサービスを利用するとクロールをリクエストすることができ、自然に読み込まれるよりも早くページを読み込んでもらうことができます。

Googleサーチコンソール
https://search.google.com/search-console

まとめ

今回はGoogleしごと検索(Google for Jobs)について詳しくご紹介いたしました。Googleしごと検索は2019年1月に日本に正式に導入された、Googleの検索結果に求人情報を表示させる機能です。今後の採用業界に大きな影響をもたらすと言われており、今注目を集めています。インターネットが急速に普及し求人のあり方もどんどんと形を変えている昨今ですので、求人媒体の見直しや採用の新しい手法の選択が今後必要になってくると考えられます。Googleしごと検索をうまく活用し、ぜひ今後の採用に役立てていってくださいね。